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1.出願はできるだけ早くしましょう
  我が国は先願主義ですから、同じ発明であっても先に出願した発明のみが特許となり、後に出願した発明は特許になりません。


2.出願が済むまでは発表は慎みましょう
  特許出願以前に発明を公表することは、新規性喪失の原因となるので、できるだけ避けることが賢明です。


  特許法第30条では、一定の期間内及び一定の条件の範囲をもって、出願前公表の救済規定(発明の新規性喪失の例外規定)を設けていますが、特許出願前にはできるだけ公表しないことが大切です。(カタログの配布や展示会などの出品には、出願を済ませてから行うことが大事です。)


3.特許権の権利範囲は明細書等の記載により判断されます
  権利者にとって、どこまでが自分の特許権の及ぶ範囲かということは、重要な問題です。この特許権の権利範囲を決めるのは、出願時に特許庁へ提出した明細書等が基礎となり、特に特許請求の範囲の項に記載された技術内容に基づいて技術範囲が決定されます。


4.アイデアや思いつきだけでは権利になりません
  発明はアイデアだけでは未完成です。明細書に発明を記載するときには、発明の目的、構成、効果をできるだけ具体的に記載し、その明細書をみれば誰もがその発明を実施できる程度まで具体的構造、作動などが示されていなければなりません。

  つまり、アイデアや思いつきを技術的に解決するのが発明なのです。

  例をあげましょう。

  「山で採取した木材を現地で細片化してチップとし、これを山から、風や水の力を用い送出筒によって工場等に輸送しようとする」発明がありました。しかし、出願の明細書には、実際に山の採取現場から工場までどのようにして送出筒を敷設するのか、あるいは、この送出筒の具体的な構造、さらには、風や水の力をどのように利用するのか、技術的な内容が明確に記載されていませんでした。この発明は、結局、具体的な技術が書かれていないので実施不能である、という理由で拒絶されました。


5.出願は価値のありそうなものだけにしましょう
  出願は、技術的評価、市場評価を勘案してから行いましょう。特許出願することは、経済的にかなりの負担になります。

 費用の詳細は産業財産権関係料金一覧(特許庁)をご覧下さい。