営業秘密・知財戦略相談窓口の支援事例

 
世代交代・社屋改築・・・「変わり目」に体制構築
株式会社井上模型製作所(大阪府)


背景

プロトタイプモデルの製作を主たる業務とし、少量多品種(一品作り)の、金属・樹脂の高精度な機械加工を行っています。他社が面倒で嫌がる仕事に積極的に挑戦することを心掛け、難形状加工に特化して得意としているため、固定法や加工方法に独自ノウハウが多数存在します。事業が拡大する中で、顧客情報等の営業情報を秘密管理する必要性も高まっていたことから、情報管理体制を見直すことにしました。INPIT営業秘密・知財戦略相談窓口の利用は、機械加工業の社長が集まるイベントで市役所職員から紹介されたことがきっかけです。

取組

当社社長及び幹部と知的財産戦略アドバイザー(知財A D)で打合せたところ、具体的な課題として、高度な製造ノウハウを守る明確なルールがないこと、ベテラン技術者から若手に世代交代する中で若手のモラル向上が急務であること、製造現場への立ち入りが比較的容易で設計・製造ノウハウが流出する危険があること等が抽出されました。

当時は本社を新築・移転する計画があり、知財ADの提案でその計画に合わせて情報管理体制を構築し、従業員の意識昂揚に繋げる段取りとしました。新本社は高品質・高精度加工を実現する最新工場で、今後も設計情報や加工手順等の重要情報を電子データで扱うことから、電子データの管理に重きを置いた活動となりました。

取り組み期間は本社の建築期間も含めて1年強でした。時間をかけることができたので、整理整頓・清掃(3S)の徹底や監視カメラの設置等にも意欲的に取り組みました。その他に、立入禁止・撮影禁止エリアの設定、見学受入時に他社仕掛品をカバー遮蔽することの励行、部外者来訪時の全館アナウンス励行、個人の電子機器端末(スマートフォン類)の事業所内持ち込み禁止、ベテラン技能の文書化にも対応。ベテランの頭の中にだけあった技能が目に見える形で整備され、若手への技能伝承の点でも役立っています。

今後は、情報管理マニュアルの増補改訂や新入社員教育の実施、情報システムのログ管理等にも取り組む予定です。

取組を振り返って

事業で肝となる高度な加工技術や顧客との信頼関係を守るため、自己流ながらやってきた秘密情報の管理を営業秘密管理の視点で見直せました。本社の新築・移転と同時に進め、効果的な取り組みにできたと感じます。知財ADの適時の訪問は活動持続のペースメーカとしても大きく機能しました。この活動でINPIT大阪府知財総合支援窓口を知り、他の知財支援も受けることができ当社の知財力向上に大きく役立っています。

営業秘密・知財戦略相談窓口からのコメント

2016年5月に初回訪問し、INPIT大阪府知財総合支援窓口と一緒にご支援しました。技術力が高く、経営者の意識も高い企業で、一を聞いて十を知るように自ら課題を明確にされました。提案以上の取り組みを「面倒な仕事を嫌がらず」の精神で諦めずに取り組んで次々に実現。職場環境や従業員意識の向上を含め、経済産業省が提唱する「5つの対策」が実践されており、まさにお手本のような取り組みをされています。

企業概要
名称 株式会社井上模型製作所
代表者 代表取締役社長 井上 佳宣
本社 大阪市北区本庄西3-7-1
資本金 1,000万円
従業員 19名
事業内容 樹脂・アルミ外装品デザインモデル、ワーキングモデル、内装部品樹脂・金属の切削品、小ロット用小型樹脂製品の簡易金型製作及び成型品の製造・販売
電話番号 06-6131-5698
URL http://www.inouemokei.co.jp

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[最終更新日:2019年3月29日]

[この記事に関するお問合わせ先]
知財戦略部 営業秘密管理担当
電話:03-3581-1101 内線3841
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